最近の賃貸事情-Vol.6 「賃貸」VS「持ち家」買うか、借りるか

ときどきお客さまに「住む家は買ったほうが得ですか?それとも借りたほうが得ですか?」という質問を受けます。わたしたちが仕事をしていていちばん難しい質問です。というよりも答えようのない質問ではないかと思います。

随分前ですが(確か10年以上前)リクルートの住宅情報で「賃貸が得か売買が得か」という、まさにこの質問の回答のような特集がありました。そのときの結論は「人によって異なる、ケースバイケース」ということでした。漠然としていますが「正しい答え」でした。

またごく最近の住宅情報でも「賃貸」VS「持ち家」結局どっちがトクなんだ!という特集がありました。ここでは「金利も価格も低く、質の高い物件が豊富にある今が買い時だ」という提案でしたが、やはり最後には「その人が、これは!という物件に出会えたときが買い時といえる」という漠然とした結論で締めくくっていました。

単純に比較すると売買の場合、物件の名義は自分のものになり、支払ったローンは貯金のように考えている人が多い。反対に賃貸はいくらお金を払っても自分のものにならなからもったいないと考えられています。しかし前述のリクルートの特集において、賃料及び売買価格も過去数年の水準で推移した場合、「7年後の比較検討」ではどちらを選んでも残ったお金は同じでした。結論は購入した物件を売却するときの価格(買った時より安くなるか高くなるか)によって決まるということです。

賃貸と売買にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
○賃貸のメリット
・入居時の契約金が少なくて済む
・特別な理由がなくても気楽に引越ができる
・資産価値(物件の値下がり)が気にならない
・設備の修理・交換費用負担がない

●デメリット
・リフォームなどが自由にできない
・借家では社会的信用が得られない
・定期的に更新料を支払わなくてはならない

○売買のメリット
・リフオームが自由にできる
・自己所有の住宅は社会的信用が得られる・物件を担保に借入れができる

●デメリット
・多額の頭金が必要
・資産価値(物件の値下がり)が気になる・ローンを抱えるため精神的に重荷になる・気軽に引越ができない
・固定資産税等の税金の支払

持ち家志向が強い日本人にも最近は生活をエンジョイする賃貸派が増えているといわれていますが、“「賃貸」か「売買」か”はその時の経済情勢(金利など)、その人の収入、家族構成、仕事、将来の目標、不動産に対する価値観、さらには人生観で変わります。投資物件を購入する場合は別ですが、住む家を買う場合、心地よい住まいを必要としているのか、あるいは将来の資産価値のアップを見越した投資目的で買うのか、「何を何の目的で買うか」が大切です。