最近の賃貸事情-Vol.11 保証人代行システム

今回は、「保証人代行システム」についてお話しをします。部屋を借りる際の賃貸借契約には連帯保証人が必要です。連帯保証人とは、契約に関わるすべての債務に対して借主と同様の責任を負うことです。当社は個人申込の場合、申込人の両親あるいは関東近県に居住する親族で、安定収入がある方を「連帯保証人」として立てていただいております。法人契約の場合も、原則として連帯保証人を立てていただいておりますが、上場企業など大手法人申込の場合、例外的に連帯保証人ナシの契約もあります。また、法人契約で連帯保証人を立てる場合、その規模によって法人の代表者、入居者、第三者となります。

最近、連帯保証人を「頼みにくい」「頼みたくない」「頼む人がいない」などの理由で「保証人代行システム」を希望する人が増えています。その要因は、「人間関係が希薄」になっていることと、「契約をシビアにドライに考える傾向」があると思われます。この保証人代行システムとは、借主が「保証会社」に一定の手数料を支払う事により「保証人」になってもらい、賃貸借契約を締結するシステムです。具体的には保証会社が申込人を審査し承認した場合、借主が支払うべき毎月の家賃・管理費・駐車料等を保証するシステムです。保証対象は毎月借主が支払うべき金額だけですが、稀に原状回復費用や立退訴訟費用まで保証する会社もあります。

保証人代行システム〈参考例〉
保証対象   毎月の支払額(家賃・管理費・駐車料金等)
対象金額   家賃等合計3~30万円(相談可)
対象物件   居住用賃貸住宅
対象契約者   20~65歳未満の個人
保証の有効期間   2年または1年(契約期間中)
保証の限度額   月額対象金額の最長6ヶ月
保証料(手数料)   2年で賃料の35%、1年で賃料の20%(消費税ナシ)
支払方法  契約時または更新時
備考  未納賃料は退室後精算

このシステムは主にカード信販会社が取扱っていますが、最近ではこのシステムを専門で取扱っている会社もあり、保証内容もさまざまです。

「保証人代行システム」を利用するメリットとしては「督促業務の削減」「安定収入の確保」と「入居率のアップ」が考えられます。反対にデメリットは保証対象が家賃のみで原状回復費用や立退訴訟費用は対象外であること、未納家賃の精算は退室後になることです。また、滞納が発生した場合、家賃の入金状況(通帳記帳)に加え「督促の詳しい履歴」を保証会社に報告をする煩わしさもあります。

「保証会社」を選定する際は保証内容が大切ですが、最も注意しなければならないことは会社そのものがしっかりしていることです。また2年ごとに再審査があり、承認されなかった場合、連帯保証(保証人・保証会社)ナシという事態が発生してしまいますので、保全対策としてその際の特約事項を設けて契約することも大切です。

最近は「保証人代行システム利用可能」を募集広告にアピールしている会社も見かけます。部屋を探している側に、「連帯保証人を用意しないで契約できる」という魅力があるからでしょう。これからはお金で解決できるものは解決しようという考え方が強くなっていき、部屋を借りる場合も保証料を払って「保証人代行システム」を利用してゆく時代になるのかもしれません。