最近の賃貸事情-Vol.15 今どきの賃貸マンション
今回は最近人気の賃貸マンションについて具体的なポイントを挙げてお話しいたします。
1.広さと間取り
10年前と比較すると専有面積が広くなっており、居室以外に「水まわり」もゆったり、「収納」も豊富になっています。従来シングルタイプは21㎡(洋7・K2)前後でしたが最近は28㎡(洋10・K2)前後の部屋が多くなり、2DKタイプは45㎡(洋6・和6・DK 8)前後から52㎡(洋6・洋6・DK10)前後の広さになっています。また、2DKの場合、一部屋が和室でしたが最近では二部屋とも洋室タイプに変化し、カウンターキッチン付も増えています。
2.仕様、設備など
10年前のシングルタイプはほとんど1口電気キッチンでしたが、最近は2ロガスキッチンが多くなりました。また、ワンルームでも「バス・トイレ別々、室内洗濯機置場、ガスキッチン」今は必須条件です。2DK以上は「追い炊き機能付バス」が主流で「浴室換気乾燥機」も一般的になっています。現在フローリングの割合は8割近くにまで増加しており、バリアフリーも増えました。エアコンはほぼ全ての物件に設置されています。さらにインテリア性の高いダウンライトやピクチャーレールも登場しており、便利、快適なだけでなく、スマートな暮らしが求められています。
3.セキュリティ
注目度の高いセキュリティですが、新築マンションの9割にオートロックが設置されるようになり、防犯カメラ、TVモニター付きインターホンの設置率も高くなってきています。また、ダブルロックや防犯機能付き玄関キー、指紋照合システムまで登場しています。
4.その他
ここ10年でペット可の物件が3%から12%に増えました。その他「楽器可」「大型バイク置場」「サーファー向け」物件なども登場してきました。どの物件にもCATVや光ケーブルなどの通信設備が充実したこともここ10年見逃せない変化です。
以前は「オートロック」「タイル貼り」「エアコン付」「フローリング」をセールスポイントにできましたが、今ではさらなる付加価値やコンセプトが必要になりました。
10年後20年後の予想は難しいところですが、いつの時代もニーズと流行があり、やがてそれは変化します。ニーズは大切ですが、一時的な流行にはとらわれ過ぎないことが大事です。借り手側のニーズに合わせた新しいマンションが増えるとニーズに合わない古い物件は競争に負けてしまいます。今は新築マンションでさえニーズに合わなければ競争に負けてしまう時代です。賃貸マンションを企画する際、今何が求められ将来何が求められるのか、しっかりと考えていかなければなりません。