最近の賃貸事情-Vol.17 賃貸管理会社
最近、賃貸マンションにおいてエンドユーザーやオーナーが賃貸管理会社に何を求めているのかが話題になります。今回はこの件についてお話しをさせて頂きます。
従来、管理会社とは分譲マンションの管理組合が委託する「建物管理会社」を指していましたが、最近言われる「賃貸管理会社」とは賃貸マンションの「オーナー業務を代行する会社」のことです。その業務内容は入居者募集、賃貸借契約の締結、更新業務、退去時の立会いや敷金精算などが主な仕事ですが、他に重要な業務としては入居中のクレーム対応や近隣住民からの騒音やゴミ処理などに関するクレーム対応があります。このような「入居者管理業務」のみを行う賃貸管理会社と「入居者管理業務」と「建物管理業務」の両方を行う賃貸管理会社があります。
「建物管理」とはエントランスや廊下や階段などの共用部分の清掃や、建物の設備機器の保守・点検が主な仕事になります。また、長期的な計画を立て、設備の修理交換、外壁の塗り替えや防水工事、大規模修繕のアドバイスもいたします。
最近エンドユーザーが部屋を探す際に「仲介会社」より「賃貸管理会社」を重視するようになってきています。これは物件紹介から契約までで終わる「仲介会社」よりも入居から退去まで係っていく管理会社の建物管理状況・管理体制を重要と考えているからです。当然入居時の契約条件(賃料、敷金、礼金など)は大切ですが、入居中のトラブル時の迅速性や、24時間対応緊急センター設置の有無、共用部の清掃が行き届いているか、など入居中の快適性を重視してきているようです。オーナーが希望する「入居者管理」とは空室対策の具体的な提案と工夫、そして入居率のアップ(早期の客付け、入居中や退去時のトラブルの未然防止、トラブル発生時の迅速な対応などです。
現地案内する場合、室内が汚れていても、また共用部分が汚れていても、案内された人は入居申込をしないでしょう。入居者管理と建物管理は常に密接な関係が必要です。特にトラブルや緊急対応を要する場合にその関係が処理に大きく影響します。
あるアンケートではエンドユーザーが不動産会社を判断する際、一流かどうか、大手かどうか、有名かどうかではなく、「顧客を大切にする」「信頼性」「誠実」「接客対応」などを重要視するそうです。賃貸マンションにおいて私たち賃貸管理会社の重要性がクローズアップされるようになったことで、今まで以上にオーナーの良いパートナーとして真剣に賃貸業務に取り組み、トータル的な管理が求められていくと思います。