最近の賃貸事情-Vol.21 新しい管理サービスVOD(ビデオオンデマンド)
最近の賃貸マンションでは、オートロック、宅配ボックス、光ファイバーなどはあたりまえの共用設備になりつつあります。これらは入居者募集の際のセールスポイントであり、入居者が便利に快適に生活できるための付帯設備です。また、これらの設備を備えることにより競争力が高まり、入居率が高くなるということはオーナーのための付帯設備とも言えます。エアコンや浴室換気乾燥機、床暖房などの専用設備にも同じことが言えます。
入居者も単に便利さだけを求めるのではなく、環境や安全性、健康面を考えて住宅を選ぶようになってきました。これまで入居者の間で安全性への関心が高く、特に女性の要望が強くあるセキュリティシステムはコスト面がネックであまり導入されていませんでしたが、低コスト化により導入する賃貸マンションも増えてきました。
競争が激しい賃貸業界、オーナーや管理会社、設計事務所や建築会社が入居者確保のため付帯設備や仕様、またペット飼育可能、楽器可能マンションなど、工夫をこらした建物を懸命に考えています。
最近、すこし変わったサービスが登場しました。それがVOD。やはりこれまで高額な使用料など、コストの高さが問題だったが低コスト化されつつあります。
VODとはインターネット上で映画を好きな時に視聴できる人気の高いサービスで、いままではパソコンがなければ利用できなかったものが、機材を設置しインターネット回線を接続すれば手持ちのテレビでも利用できるようになります。また、視聴料の一部がオーナーや管理会社に還元され、入居者、オーナー、管理会社の3者にメリットがある付帯設備と言えます。管理会社から入居者への連絡事項を画面で行うことができるため遠隔地からも業務連絡が行え、結果的に管理業務の効率化が図れます。通常入居者へ知らせたいことは掲示板にて告知し、重要なものは投函する必要があります。メールボックスにはチラシや郵便物が溜まっており、入居者は名前入りの重要なもの以外、すべてゴミ箱へポンと捨ててしまいます。管理会社からの通知も一緒に捨てられてしまうこともあり、「設備点検」「断水」「工事」などの通知書、「ゴミの出し方」のお願い書、「騒音」に関する注意書を見ない人が多いようです。しかし、VODを利用すれば掲示、投函をする必要がなく伝達も確実。入居者は設備点検や共用部分の工事など管理会社からの連絡が、掲示板を見ることなしにいつでも自宅のテレビで確認できます。
その他、引越の予定がある入居者には空室紹介、購入を考えている入居者には売買物件の案内もできるため、入居者の囲い込みに効果的で営業面でも役に立ちます。また、いろいろなサイト上で各種注文や物品購入ができ、ネット上でのカード決済も可能です。その他、さまざまな地域の情報を提供して入居者の生活全般をサポートすることができます。オーナーや管理会社にとってメリットがあるVOD、結果的に入居者にとってよりよいサービスと言えます。