最近の賃貸事情-Vol36 地上デジタル放送への移行 早期対応が望まれます!

地上デジタル放送は2006年12月から全国都道府県庁所在地で放送が開始されており、放送エリアは順次拡大されています。2011年7月24日に現行のアナログ放送の終了は周知の事実となっており、それ以降は地上デジタル放送の受信設備がなければテレビが見られなくなりますので、必ず対応しなければなりません。

地上デジタル放送のメリットは、視聴者がアンケートに応えるなど「送受信ができる点」や「ハイビジョン画質」を送信できることですが、一番の効果はアナログ放送で多大にあった電波障害の多くが解消されることです。アナログ放送で電波障害を受けていた建物は、他の施設の共同アンテナを利用する、ケーブルテレビを利用するなど、電波障害を与えた側が設備を整えていましたが、2011年7月25日以降はこれらの補償はなくなると思われます。しかし、極めて希ですが、アナログ放送が受信できた世帯がデジタル放送化により受信できないということもあるそうで、やはりこの場合も電波障害を与えている側が補償することになります。

デジタル放送を受信するには現在以下のような3つの方法があります。

①デジタル放送用の共同アンテナを設置
この方法は各部屋まで屋内配線にする必要があります。旧アンテナがUHFアンテナであればそのまま使用できる場合もありますが、アンテナの向きを変えたり、ブースター設置等が必要で、建物が古い場合には屋内配線や端子の取替えが必要です。また、BSデジタル放送を受信するにはパラボラアンテナが別途必要になります。

②ケーブルテレビで受信する方法
現在ケーブルテレビが引き込まれている場合は既にデジタル放送を見られることが多いですが、デジタル放送受信についての保証はしないようです。保証させるためにはケーブルテレビ会社との契約が必要です。初期工事代と毎月のランニングコストがかかりますが受信設備はケーブルテレビ会社側が負担しますので、トラブルの際もケーブルテレビ会社の対応となります。

③NTT光ファイバーによる対応
光ファイバーを導入している物件であればお申込は可能。但しこのケースも初期費用や入居中、空室を問わずランニングコストがかかります。屋内配線や端子、ブースターの設置が必要な場合もあります。不具合が生じればNTTが対応します。

賃貸住宅設備ランキングにおける地デジ視聴設備はシングルタイプで5位から2位へ、ファミリータイプでも7位から、こちらも2位に上がってきています。

集合住宅の地上デジタル放送対策は地域により差がでており、特に関東では全国に比べ遅れているとの発表がなされています。アパートやマンションの地デジへの改修工事依頼がこれから殺到するのではと懸念されています。資材や技術者が不足する可能性もあり、早めの対応が望ましいと考えます。