コラム-Vol.5 ワールドカップ

1ケ月が過ぎた、あと47ケ月で開催、場所はドイツ。
みなさん察しがつくでしょうか。

随分前はヨーロッパか南米だけ、いやイングランドとブラジルだけが強かったといったほうが正しいかもしれない。今年は出場しなかったがハンガリーなど東欧がむちゃくちゃ強かった時代もあった。

1次リーグで苦しんだ韓国。わりと順調に勝ち上がった日本。その差が決勝トーナメントで明暗を分けたのか。崖っ淵から這い上がったほうに気合があった。日本の場合、選手もサポーターも16強入りですこしホッとしてスキを見せてしまったのでは…。拙者も30年以上サッカーを見ているが、「戦術」「技術」とか「審判の判定」についてここで言うつもりはない。ホームゲームはサポーター(12番目の選手)の力が大きい。不思議な力が出るのだろう。12番目の選手の中には、験を担いだ人も多かったのではと思う。「何か青いものを身につけて観戦しよう」「今日のお昼はトンカツかカツ丼にしよう」とか。「腹が減って試合中おにぎりをかじり出したら日本が失点した。食べなきゃよかったよ」と自己嫌悪に陥った人。そういう拙者も日本戦の昼には必ずトンカツを食った。そして赤飯を買った。

「攻撃は最大の防御なり」「自信を持って攻める気持ちが重要」「守ることは実質後退」6月19日の2試合を見てそう思わざるをえなかった。今年の大会は強憂国が相次いで敗退した。直径12㎝のゴールポストに当たって内側か外側かで、勝負が決まる。その数センチのずれを「技術」と言うのは酷。「運」と言ってしまえば簡単。日本代表の誰かが言った「何かが足りなかったんでしょう」と。その「何か」とはなんだろう?「自信」「経験」「歴史」「技術」「体力」「組織力」「普段の練習」「気合」「ハングリーさ」「応援]それとも「運?」。拙者は思う、選手全員の心が一致したときに得点が生まれ、一瞬でも全員が隙を見せたら失点する。力の差があるチームの対戦はこの「何か」が必ずしも結果に出ないが、力が均衡しているチーム同士の対戦はこの「何か」で勝負が決まる。選手たちはこれを「集中力」と言っている。

それにしてもWORLD CUP、予想以上に盛り上がった。
お年よりから小さな子供まで楽しんだ。みんなで応援した。

日本中で、ふれあい、歓び、悔しさ、やさしさ、驚き、怒り、感動、共有、一体感、いろんなことがあった。世界中の、サッカー、民族、国民性、価値観、が見られた。あらためてナショナリズムを感じた人も多いのではないだろうか。

サッカーはルールが簡単なところがいい。動物的な勘で動<ところがいい。だから、誰でも楽しめる。ルールは3つ…1.手を使わない。2.危険なことはしない。3.それにオフサイド。

拙者はやっと観戦1試合。あまり会場で観戦できなかったのはとても残念だが、サッカー好きとしてこの盛り上がりはうれしくもある。

最近世界のサッカーは実力に差がない。強豪国などない。紙一重のところで勝負が決まる。 2006年6月9日ドイツ、日本は今年以上に「何か」を求めて上位を目指して欲しい。7月10日にピッチに立っている日本代表を夢見て…。拙者も、もっともっとニッポンを応援しよう。