コラム-Vol.10 「話し上手」と「聞き上手」
「あの人はいい人だ」「あの人は悪い人だ」と言います。この「いい人」「悪い人」にはいろんな要素があり、「考え方の場合」と「性格的な場合」があります。いい人は別として、考え方の悪い人は直り、性格的に悪い人は直らないと思われます。一般的には育った環境が人の性格を決めるとも言われています。しかし「性格」の9割は生まれた時点で決まり、逆に「考え方」は9割決まってないと、拙者は思います。言い換えれば、考え方は環境で変わり、逆に性格は環境においてはほとんど変化しないこと。これはあくまで拙者の個人的な見解なのでご容赦ください。「考え方」以外に「振る舞い」や「物腰」なども「環境」と「経験」と「努力」で変わると考えます。
変えることができる「考え方」と変えることが出来ない「性格」の双方の要素が含まれる大切なものに「会話」があります。そして「性格という不変のもの」と「環境と経験と学習で変わるもの」の組み合わせ、拙者はそれが「人格」だと思っています。
人の第一印象は容貌ですが、コミュニケーションを取るのには会話が最も大切です。見た目は感じのよさそうな人だと思っても、話をすると「あれっ」と思ってしまうことがあります。しつこい人、話題がない人、口だけの人、言い訳ばかりしている人、自慢話が多い人、細かすぎる人などです。よく言う「馬が合わない」「肌が合わない」とは容貌ではなく「会話」のことです。また会話は「話しの内容」「タイミング」「声の大きさ」が大事で、相手の話が終わってから自分の感想や意見を言うのが大原則。基本的で簡単なこのやりとりができないと会話が非常に疲れ、また時には苦痛にもなります。他に価値観が合うかどうかも、快適な会話、さらにはいいお付合いができるかどうかの大事な要素でしょう。仕事では価値観が異なった相手との会話もビジネスとして割り切れますが、プライベートのお付合いでは厳しいところです。
「あの人は話し上手だ」ということがありますが、では話し上手とはどういう人のことでしょうか。話の内容が面白い人?たわいもない話を面白おかしくアレンジして話せる人? ボキャブラリーのある人? 拙者は「話し上手は聞き上手」と思っています。これはビジネスの世界でもプライベートでも通用することです。特にビジネスにおいては、やたら流暢に喋り過ぎるより、時々つまずいてしまうぐらいのほうがちょうどいいのではないでしょうか。喋りが滑らか過ぎると、話の内容や相手の状況を全く考えずに、ただマニュアルどおり喋っているだけで、この人ほんとにわかっているの?もしかしたら騙されるんじゃないか?と考えたりします。ビジネスの話は、できるだけ相手に話させる「聞き上手」、これがビジネストークの大原則ではないでしょうか。もちろんプライベートでは親身になって相手の話を聞くのが、マナーであり大原則ですが…人の事より拙者も、ビジネスにおいてもプライベートにおいても「聞き上手」になれるよう努力していきたいと思います。
今回はすこし「カタイ話」になってしまいましたが、この「カタサ」は希望も込めて拙者の人格の一部だと思いますのでご理解いただけたら幸いです。