コラム-Vol.13 都会好きな原始人

サツマイモを生でかじったことある?「栗」はどう?

「生のサツマイモ」と「生の栗」、私が幼い時苑でるのが面倒で口にしたことがある。双方共同じ味、同じ歯応えだった。中には渋いものもあるが、大半はカリカリしていて甘かった。

ところで、田舎と都会、みんなはどっちが好き?
「田舎」「都会」、意見は分かれるところ、「歳を取ったら田舎に住もう」という話をよく耳にする。「田舎でのんびり」ということだろうが、ここでいう「田舎」とは「生まれ故郷」「田畑が多く人家が少ない所」の二通りある。生まれ育った故郷で過ごしたい人の方が多いのであろうけど、柵などが無い田舎は新鮮で心地よい気がする。

都会の雑踏やめまぐるしい変化が鬱陶しく感じてくるのだろうか。都会でがんばりすぎたしわ寄せか。私も田舎は大好き。でも「歳を取ったら田舎に住もう」よりはむしろ反対で、若ければ田舎に住んでも自分で刺激を求められるし、何でも仕事や遊びに変えられるエネルギーがあるが、年齢を重ねるうちに少し億劫になってくる。価値観とか人生観の違いもあるだろうが、自分から刺激を求めるのではなく「刺激」が自然にやってくる都会は大人向きのエリアだと思う。無論野菜作りが大好きで田舎に移り住むという人は別だが。

基本的に「都会」と「田舎」は比べるものではないと思う。私は普段「ラーメン好き」をアピールしているので、いろんな人に「何ラーメンが一番好き?」とよく聞かれる。そのとき「塩も醤油もとんこつも味噌も、みんな好きだ」と答えると、すかさず「その中で一番好きなものだよ」と言われるので「その日の気分で一番好きなもの、食べたいものが違う」と言う。だいだいはここで納得していただくけれど、ときどき「一つだけ選べ」と怒ったように言われるので、その場合は「そうだなあ、そういうことになるとやっぱり醤油味かな、いわゆる中華そばや支那そば」と不本意なことを言ってしまう。すこし話が脱線した、恐縮です。比べることがナンセンスな場合があるということを言いたかった。

多種多様な人が住んでいる都会、街も仕事も遊びもすべてが刺激的。隣に住んでいる人の顔も知らないのは寂しいと言う人がいるが、それがかえって煩わしくなくて心地よかったりもする。街を歩いていても、いちいち挨拶をしなくて済む。また、冷たい都会の中だからこそ人のやさしさや温もりをより感じることもある。田舎の人はみんな素朴で温かいといわれるが私も同感。都会で働き遊び、時々自然が溢れる田舎でのんびり過ごす。この場合の田舎は「故郷」でも「知らないところ」でもよい。「水」と「空気」と「緑」それだけで爽快。そして「温泉」と「うまいもの」と「洒」があればなお良し。「うまいもの」とは豪華なものや高価なものではなく、お袋の昧や田舎料理などの素朴な味。「洒」もごく普通の酒でよい。

田舎で生まれ育った私が今、素敵な夜景を見ながら田舎料理で焼酎を飲む、そういう都会の生活が長くなった。自称「都会好きな原始人」。