コラム-Vol.20 雨の効果

「蒸し暑い」「うっとうしい」「洗濯物が乾かない」「道路が混む」など、多くの人は「梅雨」によいイメージは持っていないことでしょう。仕事では、塗装や足場掛け、道路工事など、屋外現場は仕事にならない。雨が降るとアウトドアのイベントや屋外スポーツがほとんど中止になってしまい、室内での暇つぶしを考えてしまいます。

雨が降っていいことってなんだろう。「豊作」「相合傘ができる」「部屋の模様替や思う存分に部屋の掃除や片付けができる」「撮り溜めしてあったビデオがゆっくり見られる」「ほこり被った草花がきれいになる」「仕事で疲れたお父さんが家でゆっくりくつろげる」「水不足解消」。考えてみるとたくさんありますね。徹夜麻雀した翌朝などもカンカン照りより小雨が降っていた方がホッとしたり。

私はけっこう雨は好きな方で(これを言うと「お前変わっているな、根暗か?それともオタク?」なんて言われる)、嵐などのいわゆる荒天も嫌いではありません。なぜなら「雨」は、行動が限られるから落ち着く。屋内娯楽に徹底できる。小雨の中傘をささずに歩いてみるのも意外に気持ちいいもの。さらに「荒天」の場合は家の温もりとありがたさに改めて気付かされる。また、荒天後の静けさもなかなかいい。雨が嫌いな人でも、「嵐」が去った後の晴天の爽快さは感じたことがあるでしよう。

私は少しぐらいの雨では傘を持っていてもささないことがあります。傘を買う時毎回迷うこと、それは値段。私はよく傘を忘れます。出かけるとき雨が降っていて、帰りにやんでいる時など必ず忘れます。「安物で大事にしないからかな?」と考えて数万円という高価な傘を貿ったことがありました。けれどやはり2度目の使用時、忘れてしまった。値段ではなかったのです。

子供の頃、学校が終わったら家にランドセルを放り投げ、すぐに外に遊びに行きました。野球、サッカー、缶蹴り、馬乗り、鬼ごっこ、毎日動き回りました。そして雨が降った日は、しかたなく家の中でトランプをしました。この「しかたなく」が成長するにつれて徐々に「楽しみ」に変わってきたような気がします。「今日はおまえの家でゲーム大会だ!」「明日サッカーができなかったら釣りをしよう!」……「雨」を前向きに捉えるようになったわけです。

雨が降り続き、屋外スポーツがほとんど中止になってしまう「梅雨」、すこしだけ憂欝になるのは否めませんが雨や霧にしっとり濡れたツツジの葉や紫陽花の花びらの清涼感は、憂欝になりそうな気分を洗い流してくれる。そして、「梅雨」が明けたときの太陽は一年中でいちばん輝いて見えます。みなさんは今年の梅雨、どう過ごしますか。