コラム-Vol.22 「TEAM SPORTS」は騙し合い

紅葉狩りにきのこ狩り、読書の秋、食欲の秋、そしてスポーツの秋。スポーツは相手と「勝負」するものと「記録」に挑戦するものの二つに分かれ、また「個人競技」と「団体競技」に分かれる。「個人」+「勝負」はテニス、卓球、バドミントン、柔道、ボクシング、相撲、など。「団体」+「勝負」はサッカー、バレーボール、バスケットボール、野球、ハンドボール、ドッジボールなど。「個人」+「勝負」に「記録」が加わると陸上、水泳、スキーなど。「団体」+「勝負」に「記録」が加わると水泳、陸上などのリレー競技。スポーツ以外で「団体」+「記録」と「個人」+「記録」はいわゆるギネスブック関係。

団体球技のサッカー、バレーボール、バスケットボール、ハンドボール、ドッチボールなどはすべてテクニックは必要だが「騙し合い」のスポーツだと思う。シュートをしようとして切り返す、右へ蹴る振りをして左へ蹴る。スパイクを打ちそうな振りをして相手コートにポトリと落とす。野球の場合は局面での騙し合い、打者はストレートが来るかカーブが来るかを予測し、バッテリーは球種を読まれないようにする。投手と走者が騙し合う、リードと牽制球。数年前、サッカーの国際試合で、某国の某選手のすごい「駆け引き」というか「騙し合い」があった。前日、脚中包帯だらけで車椅子に乗っていた選手が、翌日の試合中絶好調で大活躍。ご記憶の方も多いと思います。

個人競技に必要な技術、体力、精神力、経験、調子に加えてチームスポーツはコミュニケーション、コンビネーション、時には阿吽の呼吸、アイコンタクトが必要。一人だけが調子よくても、調子が悪い人がいても他のメンバーでカバーできるが、個人競技ではフォローすることも、されることもなく頼れるのは自分ひとり。

個人競技の中ではテニス、卓球、バドミントン、柔道などには「駆け引き」も「フェイント」もある。全員が同時にスタートする陸上競技や水泳には駆け引きはあるが、フェイントはない。両方ともないのがシンクロナイズドスイミング、高飛び込み、体操、スキーのジャンプ、スノーボードのハーフパイプやジャンプ、サーフィンなど単独で競技を行うもの。

サッカー、野球、バレーボール、テニス、スカッシュ、卓球、サーフィン、ゴルフ、水上スキー、スキー、スノーボード、スキューバダイビングなど、私もいろいろなスポーツを経験したが、その中でゴルフだけは特殊だと私は思っている。プロのようなショットをして喜んでいたら、次のショットは空振り。本当に不思議なスポーツ。メンタル面がとても重要でゲーム的要素が強い。練習場ではうまく打てるのにコースに出るとそうはいかない。スポーツは練習して経験を積めば上達する筈なのに、何故かゴルフだけは後退もする。

「スポーツ精神に則り正々堂々と・・・」というけれど、実はほとんどが「騙し合い」と「駆け引き」の世界。練習して努力した分だけ緊張する真剣勝負の中で、それがスポーツをより面白くしている。