コラム-Vol.27 酒酔い

「二度と酒は飲まぬ!」飲み過ぎた朝、思います。しかし、日が沈み、暗くなるにつれてその思いがどこか遠くへ消えてゆきます。そして酒の妖精が歌いだします「今日も~お仕事ゴクロウサマ~、まあ一杯~やってくれ~」と。私はいつも妖精の指示に従います。まず、ビール1杯、次に芋焼酎3杯、ここまでが毎日の最低量。気分が良いとさらに1杯2杯、そして種類を変えてもう1杯。酒は食べ物に合わせて何でも飲みます。私は決して酒が強い方ではなく、単に好きなので毎日飲みたいだけなのです。

酒を飲む楽しみは「ふわふわ~っ」とした無重力な気分でしょうか。さまざまな酒癖がありますが、気持ちが寛容になり陽気になる人が多い中、「すこしくどくなる」ことだけは「酒飲み」全員に共通していることかもしれません。

どんな「酒飲み」も大抵は許せますが、過去に1度だけ許せないことがありました。その場にいない人の悪口を呑みながら延々3時間も話していた人。話題がないのか、性格なのか、その人の飲み方と話の内容は私の限界をはるかに超えていました。当然、その後その人と杯を交わすことはなくなりました。

酒に限らず、音楽や会話、雰囲気、恋や夢など「よろこびに酔う」こともあります。少し昔のサッカーの試合ですが、ジョホールバルの歓喜のときは二日酔いどころか1週間も酔い続けていました。反対にドーハの悲劇のときはその悪夢に10日間も悪酔いをし、周りの人に迷惑をかけたのかも知れません。気持ちを切り替えるのが下手な私は「悪酔い」のほうが長続きしてしまうようです。

ところで、酔ったときの失敗談は皆様お持ちだと思いますが、当然私も例外ではなくたくさんの経験をしています。飲み会を終え、高田馬場から渋谷まで山手線に乗ったときのこと。たまたま空いていた席に座りました。次駅の代々木までははっきり覚えていたのですが、その後爆睡、気が付いたら渋谷でした。まだ渋谷?…しかし時計を見てみると、電車に乗ってから1時間以上過ぎていました。そうです、ひと回りしてしまったのです。東横線の最終電車には、当然間に合いませんでしたが、「山手線一周は1時間かかる」ということを学びました。

話を戻しますが、みなさんにとってお酒はどんな存在ですか?そして酔うとはどういうことですか?「芸術がなければこの世は闇」と言いますが、私は「酒がなければ…」と言いたいところです。一日の仕事のしこりを残さないように、時にはその日の余韻に浸るため、私は今日も酒を口にするでしょう。二日酔いにならない程に、そしていい夢が見られるように…