Gourmet-Vol.45 西新宿 「板前心 菊うら/達 菊うら」
小滝橋通りを新宿から大久保方面に向かい横道を左に曲がると「板前心 菊うら」の文字。目立ちすぎず上品で凛とした店構えに今宵の一皿への期待が高まります。連日予約でいっぱいの店内は、活気と美味しい匂いで満ちています。お店のオーナーで花板の菊浦さんは、当社で管理させていただいている物件のオーナー様のご子息です。
1階「板前心 菊うら」と2階「達 菊うら」、それぞれやや趣の異なる空間ですが、どちらも季節の食材を使ったコース料理が中心の和食処。日本料理の伝統を重んじつつ斬新な趣向を凝らしたコース料理は隔週ごとに献立を替えられるとのこと。
この日私たちが頂いたのも夏を感じるお料理の数々でした。前菜には、海ぶどうが浮かぶガスパチョや鯛の塩辛、苦瓜のだし巻き玉子など新しいセンスが光る6品。料理人の丁寧な仕事が垣間見られます。椀物は鱧と早松茸。お造りはメジマグロ、アオリイカ、目にも鮮やかな昆布〆平目のうに和え。八寸は蓼の葉ソースが効いた鮎の揚げ春巻。川魚の独特の苦味に思わず首を縦に振る美味しさ。炊き合わせには、夏が旬の冬瓜と焼いたカマスに蟹の餡かけの煮物。カマスの塩気が冬瓜のやさしい甘みを引き立てていました。
既にこの時点で満たされつつありましたが、お味噌汁と自家製大葉のふりかけがかかったジャコご飯も残さず食べてしまうほど、菊うらさんの味に魅了されてしまいました。〆のデザートの手作り杏仁豆腐は口に入れた瞬間とろける食感。
五味五感を心ゆくまで堪能させてくれるお料理と丁寧な対応に、手を合わせて「ご馳走さま」せずにはいられませんでした。
左上より時計回りに、店主の接客、鱧と早松茸の椀物、鮎の揚げ春巻、お造り。
板前心 菊うら(2F)/達 菊うら(2F)
新宿区西新宿7-16-3
第18フジビル1F・2F
TEL・FAX
03-5389-5581(板前心 菊うら)
03-5389-1719(達 菊うら)
営業時間(終了時間はラストオーダー)
昼11:30~13:00
夜17:30~21:00