みなさんこんにちは-Vol.42
3月の東日本大震災、原発事故、9月に紀伊半島を襲った台風による被害等、2011年は未曾有の災害が発生してしまいました。しかし一方では規則やマナーを重んじ人を思いやる心など、日本人の底力を再確認できたことも事実。また、地震による建物被害が軽微だったことが日本の建物に対する評価を高めたようです。真夏に節電が叫ばれた中、関東地方では一番暑い7月下旬に涼しい日が続き、エアコンを使わずに済む夜が多く、結果的に節電に繋がりました。我慢と協力が天候という自然に報いられた思いです。今年もあと2ヶ月あまりですが出来るだけ復興に協力し発展に向け努力したいと考えます。
土地と建物を揺らした大地震は不動産業界そのものをも揺さ振りました。しかしリーマンショック以来下がり気味だった賃料が、ここにきて底値を過ぎた感があります。復興需要により景気と気持ちが上向きになったためでしょうか。
敷金、礼金など初期費用(賃貸物件の契約金)が減少傾向にある中、7月15日に出された「更新料有効の判決」は貸主側にとっては安心できる結果となりましたが、喜んでばかりはいられません。貸主側には供給過多の問題があるからです。判決後、貸主側と借主側、業界から今後の動向について様々な意見や感想が述べられています。
集客方法として不動産会社と大学や各種学校との提携は以前からありましたが、結婚式場と業務提携し新婚さんを囲い込みする会社が現れました。また、インターネット無料や、駅から遠いマンションではタクシーチケットを付けたりと新たな手法で集客を試みているところもあります。留学生や外国人をターゲットにする会社も増え、高齢者住宅も相変わらず注目されており様々な形で供給されています。供給する側としては入居者を想定し企画することが重要ですが、紹介する側もそれぞれ特化した営業が必要になります。
築年数や構造、設備を原因として、人気のある物件とない物件の二極化が進行していますが、きちんとしたコンセプトに基づいたリノベーションがされていたり、壁紙を選べるなどの特典がある物件は、古くても人気があるようです。また、多少賃料が上がっても設備や仕様が納得できるところを求めるユーザーが増加しています。コンセプトマンションもさらに進化しています。大手電機会社がモデルハウスを設置し、住宅、太陽光発電、省エネ家電、電気自動車等を組み合わせた複合的な提案を行うなど、業界の枠を超えた動きも出ています。
防災関連商品や代替エネルギーが注目されていますが、商品内容と販売方法に注意しなければなりません。どちらも大切なものであり、これからの社会に必要とされる中で優先順位の高いものです。しかし、必ずしも顧客の満足するものを提供しているとは限りません。必要と思うものと満足するものとを見極めることが大切です。今後、太陽光や太陽熱が住宅へどのように影響を与えるか、特に賃貸住宅への普及状況を長期的視点で捉え適宜対応していきたいと考えています。