すこし参考になる話-Vol.6

【住居表示と地番~前号のつづき】
「南麻布4-5-45」という住居表示の場合、正確には「南麻布4」の「4」までが町名です。「南麻布」という町についた「4-5-45」という記号が住居表示なのではなく、「5-45」というのが「住居表示という記号」なのです。正確には「○○町○丁目」というのは固有名詞ですので「南麻布4」ではなく「南麻布四丁目」ですから、正しい住居表示は「南麻布四丁目5-45」と書かなければなりません。「南麻布四丁目」が町名で、一般的に「5」のところを番地、「45」のところを号と言いますが、これも正確には「5」のところを「街区符号」、「45」のところを「住居番号」といいます。
「街区符号の順番の法則」は東京の場合、以下のことが言えます。皇居(上り方向)に近いほうから数えて1番、2番。例えば目黒区(東京南西地区)の場合、数字はほぼ北4南、東4西と流れます。葛飾区(東京北東部)の場合、数字は南4北、西4東へと流れます。この法則を知っていれば目的地がより探しやすくなります。

ちなみに日本橋では橋を境に南地区では北から順に一丁目、二丁目。橋より北の地区では南から順に一丁目、二丁目となっています。

「住居番号の法則」について、基本的には基準点(街区の東南のすみ)からの距離を表しています。10メートルごとに1,2,3と付けます。0~10メートルの場所が住居番号の1番。10~20メートルの場所が2番で、20~30メートルの場所が3番で、各建物の玄関の位置が基準点から何メートルかで住居番号が決ります。従って家を建て替えるとき玄関の位置を変えれば住所も変わります。しかしこの法則は農村などでは必要ありません。そういうところでは適用にならない「市街地向けの方法」です。

住居表示が適用されている地域でもしっかり地番は存在しています。「住居表示」はあくまで「位置」を示すためのものなので土地の権利書などには所有を示す「地番」が書いてあります。登記簿の「地番」は所有、範囲、面積を示しています。「こっちからここの何平米は150番、こっちからそっちの何平米は151番」というふうに範囲を表しています。それに対し「住居表示」は座標すなわち郵便受けの位置(自分の居住地・手紙の宛先という位置)を示しています。「地番」と「住居表示」はどちらも「ある土地を指し示す数宇」でありながら、その目的・用途は全然違うということです。

○丁目○○番地○○号という住所を訪ねるとき、詳しい地図を持っていない時は探すのに一苦労します。○○町○丁目まではすぐに行けたが、その後が探せずにしばらく歩いてしまい、気が付いたら1周して元の場所にもどっていた。地元の人に聞いても、自宅以外の住居表示は以外に知らないものです。「徴税のための整理番号」である「地番」と違って、市街地の「住居表示」というのは、住所を頼りに初めての土地に訪れて、その場所を探すときには、とっても便利なモノなのです。

もし地図ナシで目的地を訪ねる場合、「住居表示の法則」をすこし参考にしてください。