すこし参考になる話-Vol.7

【ダニ退治とカピ退治】
みなさんは「健康住宅」という言葉をご存知でしょうか?「健康住宅」とは、建物の健康とそこに住む人の健康を意味しています。建築技術の進歩と普及により、便利で快適な生活が得られました。しかし一方では人に害を与える化学物質・ダニ・カビ・結露などを招き、快適であるべき住宅環境を悪化させてしまい、シックハウス症候群や化学物質過敏症と呼ばれるような社会問題にまで発展してしまいました。そこで最近多くの住宅メーカーが、可能な限り有毒物質を放出しない建材や自然素材を使用し「健康住宅」の実現に取り組んでいます。

「住宅の病気」と呼ばれるダニ・カビ・結露はさまざまな「人の病気」を引き起こす原因となります。代表的な病気としてはアトピー性皮膚炎があります。このようなアレルギー疾患は近年増加傾向にあり、居住環境公害として対策が迫られています。「アトピー」の語源はギリシャ語で「奇妙な」という意味で、名前の由来は原因がよくわからないところからきているのですが、実際のアトピーの原因はハウスダスト、ダニ、カビが一番多いそうです。

よく言われているダニ退治方法の中には、全く効果がないものやアレルギーを悪化させてしまうものもあります。ダニは生きている場合より死骸やフンがアレルゲン(アレルギーの原因)になりやすいので、殺ダニ剤使用後に掃除機掛けをして死骸などを取り除かないと、逆にアレルゲンを増やしてしまいます。また布団の天日干しにはダニを死滅する効果はなく、布団を1回たたいて取れるダニの数も実は約1匹だそうです。ダニの繁殖した布団には約1000匹ものダニがいるので、全部退治するのには布団を1000回たたかなければならず大変な重労働です。有効な退治法としては、ダニのフンなどは水溶性のため、丸ごと水洗いすると大部分(約95%)が除去されます。布団やぬいぐるみなど丸洗いの出来るものは丸洗いをお勧めします。カビ退治について、壁の内部にまで浸透しているようなひどい場合には専門業者に依頼したほうがいいでしょう。ここでは簡単に出来る小規模のカビを落とす方法を一部ご紹介します。

(用意するもの)漂白剤、消毒用アルコール、雑巾(またはスポンジ)、布切れ、ゴム手袋
(手順)
1漂白剤を水で薄める(目安は有効塩素が0.5%以下になるくらい)
2薄めた漂白剤を雑巾に染み込ませてカビを拭き取る(ゴム手袋を着用)
3漂白剤が乾いたら、雑巾に水を染み込ませよく拭く
4布切れに消毒用アルコールを染み込ませカビを拭き取った後でよく拭く
ダニ・カビ予防には、通気・換気・除湿に気を配り、家の中に湿気を溜めないことが一番大切です。

建物を造る側と建物に住む側の双方がお互いに協力して、「快適な住まい」=「健康住宅」の実現が可能になると思います。