すこし参考になる話-Vol.10
【暖房器具】
そろそろ暖房の必要な季節になりました。暖房器具は熱の伝わり方によって、「対流型」「伝導型」「輛射型」の3つに分類されます。
「対流型」は気体や液体の循環によって熱が移動するもので、エアコンやファンヒーターが代表的です。速暖性が高いのが長所ですが、暖かい空気が天井へ上がってしまう為「頭熱足寒」になってしまうのが欠点です。また、送風によってハウスダストが立ちやすく、空気が乾燥してしまい換気が必要です。「伝導型」は熱が移動するもので、直接器具に触れるホットカーペットや電気毛布が代表的です。足元が暖かい「頭寒足熱」が長所ですが、離れると寒くなってしまうのが欠点です。「幅射型」は熱線(遠赤外線)が物にあたり熱になるもので、ストーブやこたつが代表的です。器具付近は暖かいのが長所ですが、遠ざかると熱が伝わってこないのが欠点です。
最近特に注目を集めている暖房器具の1つに床暖房があります。新築マンションでは「床暖房」が増え、ないものに比べ契約率が1割ほど高くなっています。また、木造住宅にも簡単に組み込めるタイプも開発されて、普及率がぐんと高くなってきました。…ちなみに多摩動物公園のおサルさんも床暖房を使っています。床暖房は床面から直接暖められた「伝導熱」と床面から放射される「幅射熱」により室内がほぼ一定温度に暖められ、足の裏からぬくもりが直接体に伝わり「頭寒足熱」でとても快適です。また風がないため乾燥を防ぎハウスダストを抑制し、空気を汚さないので換気も不要です。しかし他の暖房器具に比べ設備費・ランニングコストがやや高いという問題があります。
暖房器具を選ぶには実用性やコスト面はもちろんですが、ライフスタイルや家族構成も考え決めたいものです。共働きなど留守が多い場合、速暖性の高いエアコンやファンヒーターが適しています。小さなお子さんやお年寄りなど、家の中で過ごすことが多い家族の場合、安全性や衛生面を考えて床暖房が適しています。また床暖房とエアコンを「組合せて利用」するのも一つの方法でしょう。
様々な暖房器具が選べるようになった今、我が家に最適な暖房を、もう一度考えてみるのはいかがでしょうか。
【衣替え】
衣替えの習慣は、宮中の行事として始まったもので、当時は今と違って旧暦の4月1日と10月1日に行われていました。複雑に変化したのは、江戸時代の武家社会からで、「4月1日から5月4日まで」と「9月1日から同8日まで」は袷(裏地付きの着物)を、「5月5日から8月末まで」は帷子(裏地なしの単仕立ての着物)を、「9月9日から3月末まで」は綿入れ(表布と裏布の間に綿を入れた着物)の着用が定められていました。年に4回も衣替えをしていたわけです。衣替えが6月1日と10月1日になったのは明治以降で、学校や官公庁・銀行など、制服を着用するところでは現在もほとんどがこの日に行われています。
ところで、これから衣替えを考えている方は、衣類を虫やカビから守るために、まずきちんと汚れを落としてください。(衣類を食べる虫は雑食のため、衣類の繊維だけではなく、そこについた食べ物のカスやしみを栄養としています。特に牛乳、トマトの汁、汗、紅茶、オレンジジュースなどが好物です。)次に虫干しをして、カビの原因になる湿気をよく取り除いてから収納してください。収納後も2週間に1度はたんすやクローゼットに風を通しましょう。
防虫剤は、パラジクロールベンゼン・ナフタリン・樟脳・ビレスロイド系の四種類に分類されますが、遠う種類の防虫剤を一緒に使うと衣類にしみを作ってしまう恐れがありますので避けましょう。防虫剤のガスは空気より重いので、衣類の上の方に置いてください。また、湿気対策として防虫剤と乾燥剤を一緒に使うとさらに効果的です。