Sudo’s WATCHING-Vol.6

■工事部スタッフから

私が建築工事の仕事に携わっているから特にそう思うのかもしれませんが、最近、テレビや雑誌などで住宅に関する記事が以前より多く取り上げられるようになってきた気がします。私たちの日常生活の基盤となる“衣・食・住”の中で、これまであまり注目されなかったのが意外といえるかもしれません。

個人のライフスタイルが多様化したことに加え、インターネットを始めとする様々な情報媒体を通じて知識が向上していることが、住宅への関心に多大な影響を与えているようです。こうした時代の流れと共に建築そのものにも大きな変化が起きています。食文化やファッション同様に建築にも流行が存在します。また住設機器や建材は常に進化し、建築基準は法改正等により厳しくなってきています。

リフォーム工事を行う際、これら時代の変化が大きなネックになることも少なくありません。建築当初は合法であったものが現行法においては違法であったり、現在では行われていない当初のエ法がリフォームエ事の妨げとなる場合があります。

近年流行しているデザイナーや建築家によるリフオームを除けば、賃貸物件のリフオームはそのほとんどが「復旧」を目標とする傾向にあります。クロス、床材、畳、襖などの内装仕上げは、ほぼ「復|日」という形で施工することが可能ですが、設備に関するエ事は単騎な復旧工事というわけにはいかないケースがたくさんあります。

住む人が決まっている分譲物件や個人住宅と異なり、一般的に賃貸物件ではあまり強い個性を出すのは難しいかもしれません。しかしこれからの賃貸物件のリフォームでは、内装の色昧を変えたり、照明を変えたり、インテリアの雰囲気を変えることが必要になってくると思われます。ありきたりの賃貸物件ではなく、個性的なものが求められています。

単純な「復旧工事」という枠組みに捉われずに、住む人の豊かな生活に向けて、またオーナーの賃貸事業の成功を求めて、よりよいリフォームを提案していくことが私たちの重要な役割だと考えております。

工事部島田 忠史