Sudo’s WATCHING-Vol.7

■エコロジカル住宅

環境問題や省エネが日常生活レベルで意識されるようになってきています。自動車などはCMで低燃費や低排ガスを強調しているため、その取り組みが一般に知られていますが、最近、建築の分野でも様々な取り組みが行われています。これらは大別すると『省エネ』、『資源の有効利用』、『環境共生』の3つの項目に分けられます。

『省エネ』は2×4住宅をはじめとする高気密・高断熱住宅や太陽光を利用したパッシブソーラーシステム、水車や風車あるいは地熱などを利用した発電などが挙げられます。

『資源の有効利用』とはいわゆるリサイクルです。ペットボトルがフリースに再生されるように、建材の分野でも様々な再生材が開発され商品化されています。また、雨水を貯留しトイレ洗浄や散水などに利用したり、生ゴミをディスポーザーで処理して堆肥として有効活用することも徐々に普及しているようです。

『環境共生』で注目されているのが「ビオトープ」です。これは微地形とも呼ばれ、共同住宅などの敷地内に小池や小川、草むら、木立などを設け、生物が成育しやすいようにした庭のことです。ビオトープを設けると生物が集まるだけではなく、保水や空気清浄、日照調整、温度低下など住環境へのプラス効果がたくさんあります。その他、雨水を地面に浸透させる舗装や屋上庭園など、いずれも建物単体ではなく周辺環境を考えた取り組みです。

事例として、『省エネ』では大阪ガス環境共生実験住宅“NEXT21″、『環境共生』では都営蓮根三丁目台アパートやグローブコート大宮南中野などが挙げられます。さらに、敷地内に緑地が確保できない場合、屋根や壁面を緑化する建物も増えています。新築の場合、このような計画は行政から補助金や割増し融資を受けることができます。墨田区役所では屋上緑化施策の推進を図るため区役所本庁舎にて、メーカー35社の見本を設置しており見学できるそうです。屋上やルーフテラスなどでのガーデニングの参考にもなりますので、興味のある方は見学してみてはいかがでしょうか。