Sudo’s WATCHING-Vol.12

■ガラス

ガラス掃除は、表面に水分が残ってマダラ模様にならないよう充分な乾拭きがとても肝心ですが、あまり掃除を必要とせず自然の作用で自らキレイになるという夢のようなガラスが生み出されました。これは「光触媒クリーニングガラス」と呼ばれ、雨と太陽光によってガラス表面の汚れを自ら洗い落とす機能を持っています。表面に酸化チタンなどの光触媒作用を持つ物質がコーティングされており、光触媒クリーニング効果を発揮します。

光触媒クリーニング効果とは、①光触媒作用を持つ物質が紫外線により、有機物を二酸化炭素に分解、②紫外線によりガラス表面が親水化し、雨水が付着した汚れの下に浸水、③雨水が親木化したガラス表面で水膜を形成し汚れを流れ落とす…これを繰り返すことにより汚れが自然に除去される機能をいいます。また、紫外線によって親水化したガラスは汚れの付着を低減する効果も持っています。条件によって異なりますが、この効果は数十年持続するとのことです。

現段階では公共施設や高層ビルなどが主な対象ですが、(実例として汐留にある松下電工本社ビル)今後、集合住宅や個人住宅向けの商品の開発が期待されており、もっと身近な存在になると思います。大掃除の時にしか手をつけられなかった吹抜上部の窓や、手の届かないフィックスの窓ガラスの清掃から解放される日がやってくるかもしれません。

■とあるトイレでの出来事

先日、横浜のとあるビルでトイレに入り、鍵を閉めようとしたその瞬間、「このトイレは自動洗浄となっております。ご使用後、センサーが感知して10秒後に自動的に水が流れます。」…驚きましたあ~。デパートや駅などのトイレが綺麗に変身していく一方、使用する側に戸惑いがあります。冒頭で述べたトイレ、落ち着かないので後はセンサーに任せて足早にその場を去りました。

従来のトイレは、レバーを回す、レバーを踏むなど、手動式が一般的でしたが10年程前から触らずに済むセンサー式洗浄が増えました。装置は形も設置場所もまちまちで、女性用に至っては擬音装置や脱臭芳香装置、使座クリーナー液、使い捨て使座シートがあり、使う側としては試されている気分にもなります。

センサー式が導入される理由は、給水手段の問題や流し忘れ防止だそうですが、メーカーによると一番の理由は「節水」にあるそうです。他の人が触れたところに触れたくない、いわゆる清潔志向、潔癖性の人が増えているのも理由のひとつでしょう。従来のものより格段の節水効果を発揮し汚水も減らすセンサー式は、「環境に配慮している」ことになるため、各メーカーは節水効果の向上に努め、結果として次々と新しい装置が生まれます。

子供からお年寄り、外国の人、不特定多数の人が使う公共トイレは、新しいもの全てが歓迎されているのでしょうか。素晴らしい装置でも、日本語だけの説明書きや健常者のみが使えるものでは意味がないと思います。洗浄装置と緊急用ボタンが見分けにくいものもあります。そして何より統一されていない装置に緊張と不安を抱きます。間違った操作をしたくない、でも誰かに聞く事もできません。トイレに求めるものは安心の空間です。各メーカーが協力して使う側の視点でトイレを作って欲しいと思います。

■みなとみらい線

2004年2月1日に『みなとみらい線』が開通しました。横浜駅から順に、「新高島駅」、「みなとみらい駅」、「馬車道駅」、「日本大通り駅」、「元町・中華街駅」と全線地下を走り、横浜駅から元町・中華街駅までは7分(特急)です。また、東急東横線との相互直通運行の特急を利用すると、渋谷とみなとみらい間が31分(日中)に短縮されました。

『みなとみらい線』は駅のデザインが斬新です。未来へと導く一隻の船のような「みなとみらい駅」、伝統と歴史を思わせる重厚な造りの「馬車道駅」、シャープで洗練された空間の「斬高島駅」、それぞれが個性的です。「みなとみらい駅」はクイーンズスクエアの地下に作られ、買物などで利用する人にとても便利になりました。地下23mにあるプラットホームも大吹抜によりクイーンズスクエアと空間的に一体化され自然な光を感じられます。また、車頼の軽量化・低騒音化と使用電力の削減など、環境へのやさしさにも配慮しています。

車内は横浜の伝統産業である「横浜スカーフ」を腰掛けの柄に採用し、空調機器の制御が充実して、ラッシュ時や休日も快適です。また、低めの吊り手と荷棚や段差の少ない車椅子スペース出口、号車とドアの位置がわかる点字シールなどバリアーフリーも充実しており、1日乗車券で『みなとみらい線』各駅を回る観先客も目立つそうです。横浜の街を散歩がてら、足を運んでみてはいかがですか。