最近の賃貸事情-Vol.4 インターネットでのお部屋探し

「引越する」…いくつかケースがあります。独立、就職、転勤、転職、結婚、家族構成の変化、泥棒に入られたから、気分転換、など。それぞれの状況によって「お部屋の探し方」は異なると思いますが、最近その「お部屋の探し方」に別の変化があらわれています。

従来は、「住みたい地域に直接出向き地元の不動産会社を訪ねる」あるいは、「住宅情報誌を買い希望物件を問合わせる」「不動産会社の知人を頼る」など主流でした。しかしそれが「インターネットで物件検索し、FAXまたはメールで希望物件の図面を取寄せる」または「インターネット賃貸物件情報サイトに部屋探し登録をし、希望物件の情報を入手する」これらが主流になりつつあります。歩いて探さなくても自宅にいながら手軽にたくさんの賃貸情報を知ることができるようになったわけです。

インターネットでのアクセスは数千数万件、しかし実際にお部屋を探している人ははたして何人いるのでしょうか。そういう疑問が浮かびます。おそらく、部屋を探している人だけがアクセスしているわけではないでしょう。単にヒマだから見ている人、特に引越しは考えていないが建物やインテリアなどに興味がある人、部屋を探している友人のために見ている人、相場のみを知りたくて見ている人、など。また、同じ人が何回もアクセスする場合もあります。

広告の反響としてみた場合、大切なのは最終的に物件に問合わせをしてくるかどうかです。部屋探しは手軽になりましたが、全く引越する予定がない人でも簡単に間取図や情報を入手できます。そしてその分わたしたちの作業も増えました。インターネットのメリットとデメリットを象徴しています。情報化社会と言われて何年も過ぎましたが、インターネットはまさにその頂点ではないでしょうか。

氾濫する情報の中から、興味のある情報を取り出せる「インターネットの接続料」が定額になりました。そして当然「あまり必要ではない情報も入手する人」が増えてきています。

ネットに登録さえしておけば探している人が自由にアクセスし検索して物件を判断する。非常に合理的ですが、わたしたちは、わざわざご来店くださるお客さまにはより懇切丁寧に物件の紹介とアドバイスをしています。インターネットの世界では、ユーザーは有意義で正しい情報を見分けなくてはなりません。そしてわたしたちもまた、真剣に探しているユーザーとそうでないユーザーとを見分ける判断力が必要になりました。