最近の賃貸事情-Vol45 外国人在留管理制度の開始

2012年7月9日に在留管理制度が施行されたことに伴い、外国人登録制度が廃止され、在留カードによる管理へと変わりました。

従来は、法務省での入管・更新時の管理と市区町村への登録の二本立てで管理が行われていましたが、情報を把握しきれず、罰則規定を執行できないこともあり、結局は本人による申請を待つしかないのが実情でした。その結果、①登録証明書の所在地に誰も住んでいない ②一時帰国を把握できない ③不法滞在でも登録証明書が発行されてしまう などの問題がありました。

新制度では、入国時にICチップ入りの「在留カード」が交付され、法務省で一括管理されます。在留外国人には、カードの常時携帯と、記載事項(氏名、居住地、就労先など)に変更がある場合の届出が義務づけられます。これにより適法に在留している、いわゆる優良外国人を正確に把握できるようになるため、最長在留期間が3年から5年に延長されることになりました。なお、賃貸業界では一般的に、外国人に部屋を貸す場合は外国人登録証明書のコピーの提出を義務づけていましたが、今後は在留カードの提示をお願いすることになります。

昨年末の外国人登録者数は2,078,480人(別表1)、島国日本にしてはかなりの割合であることに改めて驚きを感じます。うち、都内には20%の約40万人が居住しています。国別には中国、韓国・朝鮮、ブラジル、フィリピン、ペルー、アメリカの順です。不法残留者数は2012年の1月1日現在67,065人で、総登録の3.2%を占めます。在留資格の中で最も多いのは、滞在期間が過ぎても帰らない「短期滞在」(別表2)ですが、登録数のピークであった2008年に比べると減少傾向にあります。しばらくは登録証明書から在留カードへの移行時期にあたり、不法残留者が激減することはないと思われます。しかし、今後は在留カードが雇用や賃貸契約の有力な判断材料となることでしょう。

日本は少子化の時代に入り、その対策のため外国人の受け入れが増えていくことが予想されます(今回はそのための法改正であるという見方もあります)。必然的に、賃貸住宅の需要も増加していきますので、シェアハウスや家具付の部屋、カスタマイズができる物件など、外国人も視野に入れた賃貸住宅作りを考えてゆく必要があるのではないでしょうか。