みなさんこんにちは-Vol.16

梅と椿が寒さとともに通り過ぎ、引越シーズンが終わり、桜前線も東北地方を北上中、東京は新緑の季節になりました。

以前SUDO NEWSで、2003年から賃貸業界の動きが悪くなっているとお話ししましたが、特に都心や城南地区では、再開発や建替、高層化により供給過剰のため競争が激化しています。

当社の今年1月から4月までのオンシーズン契約本数は過去8年間のほぼ平均値でしたが、取扱契約金額は例年をやや下回りました。その要因は家賃が下がり、且つ敷金礼金が少なくなったためです。一部では景気が回復してきたという意見もあるようですが、賃貸住宅業界は「景気の影響」が最後になるため、賃料はまだ上昇傾向にはありません。バブルが崩壊した時にも、最初に土地や建物の売買価格に影響(影響というより大打撃)が出て、次に事業用の賃貸物件、最後に賃貸住宅の家賃に影響が出ました。売買価格は一日毎に驚くほど価格が下がり、ピーク時の5分の1、中には10分の1にまで下がったものもあります。賃貸住宅の家賃は東京都内で平均25%下落しバブル以前の賃料に戻りました。当時「そば屋も3割ほど売上が減った」という話を何度か直接耳にしました。景気が良<なる場合でも悪くなる場合でも、まず株や会員権、財テク関係、次に広告関係、趣味関係、次に「衣」「食」「住」関係に影響があり、その中の「住」への影響が最後です。「衣」「食」に対する節約は即実行できますが、収入が減ってもすぐに低い家賃のところ(今より古いところ、不便なところ、狭いところなど)へ引越することはできないからでしょう。仮に、即引越をしたとしても「契約金」や「引越代」がかかるため、少しくらいの賃料ダウンでは出費の元を取るために長期間を要し、かなりの労力も必要です。住宅の節約は簡単にはできないということです。

お金がかかるので簡単には引越できない。しかし最近の募集条件の傾向として、敷金や礼金など、引越するときの「契約金」が減る傾向にあります。借り手市場になったという見方もありますが、引越がし易くなったということは、賃貸業界の活発化にもつながります。「契約金を下げてその分を賃料に加味する」「設備や家具を付けて賃料をアップする」これらの方法は引越を容易にし、且つ募集競争を活発にし、さらには業界を活性化することでしょう。