みなさんこんにちは-Vol40

今年も新緑の季節がやってきましたが、さわやかな風に吹かれて快適にお過ごしのことと存じ上げます。本紙もおかげさまで10年が経過し今回で第40号になります。継続できた理由は、できるだけ費用をかけず社員の手作りで着飾らない紙面作りに徹したこと、それより増してオーナーさまを始めご笑読いただいている方々の温かいお言葉のお陰と深く感謝しております。

現場の話を取り入れ、既成概念にとらわれない紙面にしたつもりですが、少しは伝えることが出来たでしょうか。これからも少しでもみなさまの参考になる内容をご提供できるよう努めて参ります。

先月、大震災が発生し、特に東北地方においては津波によって未曾有の被害を受け壊滅した街もあり、また多くの方が犠牲になりました。住宅は快適性が重視されますが、このような災害を経験すると、安全が最優先されるべきと考えます。そして、復興に向けて国民が協力し合っている姿を見て心が温まりました。思いやりの心は日本人の財産です。そのことは海外からも大きく評価されました。当社も可能な限りの協力をこれからも続けて参ります。

2008年のリーマンショック以降低迷していた建築不動産業界に昨年秋ごろからやや回復の兆しが見え始めました。しかし大震災が今後どの様な形で影響するのかが予想し難いところです。また、民法や賃貸関連の法改正、居住安定法、消費者契約法との兼ね合いで賃貸業界は厳しい状況に置かれています。法律や指導も消費者側に偏り過ぎて事業者側に負担を強いると言うことは、事業意欲を削いでしまい結果的に良質な住宅が供給されづらくなってしまいます。生活の中では誰もが消費者になりその反対にもなります。何事も思いやりと持ちつ持たれつの心が大切ではないでしょうか。

めやす賃料制度に代表されるように賃貸条件が変化している中、不動産ファンドの復活が賃貸市場に与える影響も見逃せません。高齢者住宅や大手不動産会社による賃貸住宅の供給の活発化も業界に影響し、また、都心回帰により郊外物件は特に競争が激しくなると予想されます。

消費者が考える居住コスト(家賃)は、諸設備や仕様など目に見える費用対効果を考えるだけでなく、ランニングコストや快適性、さらに安全と安心を加え総合的に判断して住宅を選ぶようになります。ハード面では、二重サッシやペアガラス、LED、再生クロス、太陽光発電や高断熱などエコをコンセプトとする住宅が消費者側にも事業者側にも注目されており、やはり人と自然にやさしく安心できる良質の住宅が求められます。

定期的な大規模修繕は建物の価値と競争力に大きな影響を与えます。それを指導していくことも行政に求められ、1棟でもスラム化した建物があると、折角の綺麗な街並みが台無しになってしまいます。建物にも個性は必要ですが、単体ではなく地域全体で考えることが求められます。

当社は本年4月8日で30期目を迎えましたが、常に初心を忘れず謙虚な気持ちを大切に、これからも仕事に取り組んでいきたいと考えております。