Sudo’s WATCHING-Vol.2

■管理のノウハウ

一口に管理といっても2種類に分かれます。ひとつは入居者管理、もうひとつは建物管理。今回は建物管理についてすこしお話したいと思います。

建物管理の内容は右記のようになりますが、もちろんすべての建物がこれらすべて必要になるわけではありません。またこれらの項目の中でも法的に義務付けられているものとそうでないものとに分かれます。

義務でなく任意の項目としては、主に清掃関係全般や塗装などが揚げられます。建物管理で重要なのはこの「法的義務がないもの」にどのように対処していくかです。費用がかかることですので効率よく行いたいですが、やはりある程度は費用をかけるべきではないかと思います。
建物を常にきれいにしておくことで、空室が減ります。部屋を探している人はまずエントランスや外観を見ます。もちろん室内の関取や内装・設備などもポイントになりますが、エントランスや廊下など共用部分が汚れていると、内見しないで帰ってしまう人も少なくありません。それほど第一印象が大切なのです。共用部分が汚いと、管理が悪いのでは?ダラシナイ入居者が多いのでは9入居後に不備があっても直してくれないのではウと不安になるのは当然です。
これからは今まで以上に管理が重要視され、建築前のプランニングと建築後の管理が賃貸事業を成功させるかどうかのカギになるでしょう。

◎建物管理チェックリスト
・使用状況の調査報告
・共用部分日常清掃/共用部分定期清掃
・ゴミ出し業務
・共用部分の保守管理
・定期巡回サービス
・24時間緊急対応(専用・共用)
・建物の修繕・不備・トラブルに対する調査処理駐車場設備保守管理
・受水槽清掃業務/高架水槽清掃
・簡易専用水道検査
・給水設備保守(揚水ポンプ/増圧ポンプ)
・排水管清掃/給水管清掃/汚水槽清掃
・消防設備検査及び消防署への報告
・建築設備検査
・特殊建築物定期検査
・エレベータ保守点検
・設備機器24時間オンライン業務
・オートドア設備点検
・共用灯設備点検
・駐車場設備保守
・受電設備保守点検
・検針業務
・空調設備保守点検/空調フィルター清掃
・植栽管理
・その他諸設備の維持管理


★建物・共用設備の長期修繕計画
屋根や外壁など共用部分の修繕をはじめ、諸設備の修理交換及び防水処理

■交渉事

先日の出来事。ある入居者が更新の際にひとこと「まだ家賃が下がっているね」と。

そのひとは何を見てどんな考えでそう思ったのかわからないが「それはないです。ここ数年(4~5年)は横ばいです」と答えた。さらに「10年以上前から契約しているひとが最近引越しして、その部屋を新規に募集する場合は以前より下がることもあると思います。しかしお客さまの場合、すでに家賃が下がりきった4年前に入居したわけです。それ以降家賃は下がっていませんし、先日他の部屋が空いて募集したときはお客様の部屋より高い家賃で成約しました」と付け加えた。その入居者はそのあと渋々同条件で更新した。

確かに一部のマスコミでは「まだまだ家賃は下がっている」というような誤った情報を流しており、それを見た人は信じてもやむを得ない。ただその入居看に限っては、「ダメ元」で言ってきたような気がする。交渉事は相手の立場・動機や目的を察して進めていかなくてはならない。相手の話を良く聞き、意見も尊重しつつ、こちらのペースで話を進めていく。決して頭ごなしに否定しない、我を出しすぎない。難しいけどやりがいがありおもしろくもあると感じた。

■給水管のオゾン洗浄

建物管理のなかで排水管の洗浄は定期的に行っているところは多いですが、給水管洗浄を定期的に行っているところはまだ少ないようです。排水管と同様に給水管も長年の間にはヌメリや異物で汚れまた赤錆などが出て詰まってきてしまいます。オゾン洗浄は管の内部に付着したヌメリ成分を分解し、配管内の異物を圧縮エアの力で洗い流してくれます。一回目の洗浄は築後5年が目安ですが、その後も定期的な洗浄が望ましいです。